いつの間にか一年だけ進んでて苦しい夜
朝、目が覚めて。
顔を洗って、髪を整えて、
いつもの服を着て。
駅までの道も、
コンビニで買うものも、
スマホを開く指の動きも、だいたい同じ。
「今日も無事に終わらせよう」
って思ってるだけなのに、
夜になると、
ふっと息が詰まる日があるよね。
変わったことなんて、
ほとんどないはずなのに。
でもね、不思議なんだ。
体はちゃんと一つ年を重ねてる。
去年より少しだけ疲れやすくなったり、
前より眠りが浅くなったり、
鏡の中の目元に、
ほんの少しだけ“時間の線”が増えていたり。
心だけが、同じ場所に置き去りみたいで。
その差が、苦しい。
それで突然、こう思ってしまう。
「私の人生、このまま終わるのかも」って。
何も悪いことは起きてない。
でも、何も起きないことが、少し怖い。
それにさ。
こういう夜って、だいたい一個だけ、
具体的な悩みがくっついてたりする。
たとえば——
友達の結婚報告を見たあと、スマホを閉じたのに、
胸の奥がずっとざらざらする、とか。
喜びたい気持ちはあるのに、
「私だけ止まってる」って思いが、
勝手に浮かんでくる。
自分が嫌になるほどじゃないけど、
乾いた紙みたいに、心がカサッとしてしまう。
そんな夜に読む記事だよ。
毎日同じで息苦しいのは怠けじゃない
「変わりたい」って思ってるのに、
何をどう変えたらいいか分からない。
それでまた、いつもの一日を繰り返す。
これね、怠けじゃないんだ。
むしろ逆で、ちゃんと考えてる人ほど起きやすい。
理由は、いくつかあるよ。
まず一つ。
変えようとした瞬間に、失うものが見えるから。
今の生活って、“守れているもの”があるでしょう。
生活のリズム。お金。仕事の評価。家の安心。
人付き合いの距離。ひとりの静けさ。
そういうのって、目に見えないけど、
ちゃんと支えになってる。
だから変化は、希望だけじゃなくて、
怖さも一緒に連れてくる。
「変えたい」って気持ちに、
「壊したくない」って気持ちが、
同じくらいくっついてるんだよ。
二つめ。
“変化のないまま”でいることが、実は体力を使うから。
何も起きてないのに疲れてる日って、あるよね。
それはね、心がずっと小さな緊張を抱えてるから。
「このままでいいのかな」
「でも、動いたら失敗するかも」
「一年後、同じ場所だったらどうしよう」
この三つが、頭の中で小さく回り続けると、
心はずっと浅い呼吸になる。
それで、夜に息がしづらくなる。
三つめ。
“変化の形”がはっきりしていないと、
人は動けないから。
たとえば「転職しよう」「引っ越そう」みたいに、
形が見える変化なら、計画が立つ。
でもあなたの苦しさは、
そこじゃないことが多い。
「人生がこのままで終わるかも」っていうのは、
目に見える出来事じゃなくて、
“空気”とか“予感”みたいなものでしょう。
だから、言葉にしようとすると違う気がする。
ピタッとした言い方が見つからない。
それで黙ってしまう。
ねえ、これはね、弱さじゃない。
まだ、形になってないものを
丁寧に抱えてるだけなんだよ。
それに。
過去の自分を無理に癒そうとしなくていい。
「よく頑張ったね」って抱きしめなくていい。
涙が出ない日があってもいい。
占いは未来を決める道具じゃなくて立ち位置の灯り

ここでね、占いの話をするよ。
でも、「未来を当てるもの」としてじゃない。
占いって聞くと、
「当たる?当たらない?」
「結局どうすればいい?」
そういう方向に引っぱられやすいでしょう。
でも、今のあなたに必要なのは、
“決断の代行”じゃないと思うんだ。
あなたが苦しいのは、
未来が見えないからだけじゃなくて、
今の自分がどこに立っているのかが、
ぼんやりしてるから。
占いができるのは、
「あなたは今ここにいるよ」って、
小さな灯りをつけることなんだ。
たとえば、こういう問いを置ける。
- あなたが“変化”に見ているものは、希望?それとも恐さ?
- 一年後が怖いのは、何が変わらないのが怖いの?
- 逆に、変わってしまうと怖いものは何?
- いまの状況は、休みなのか、我慢なのか、どっちに近い?
こういうのって、自分ひとりだと、
同じところをぐるぐる回ってしまう。
夜って特にね。
占い師さんって、
あなたの心を急かすためにいるんじゃなくて、
“見えてない前提”を
一緒に見つけるためにいる人でもある。
「未来はこうです」じゃなくて、
「あなたは今、ここで呼吸が浅くなってますね」みたいに。
「凪の中で、ずっと身構えてますね」みたいに。
そうやって、自分の立ち位置が少し見えると、
不思議と、未来の怖さが“ひとかたまり”じゃなくなる。
細かい粒にほどけていく。
そして粒になったら、
今日すぐに動かなくても、
ただ眺められるようになるんだよ。
まだ言葉にならないまま置いておく夜
最後にひとつだけ。
あなたの中の「息苦しさ」を、
急いで説明しないでほしい。
まだ、言葉にすると違う気がする。
その感覚、すごく大事だから。
たとえば、湯気。
カップにお湯を注いだとき、
白い湯気がふわっと立つでしょう。
あれをね、手でつかもうとすると消える。
形にしようとすると、逃げてしまう。
今のあなたの苦しさも、少し似てる。
“名前”をつけると、なんだか違ってしまう。
だから今日は、そのまま置いておく。
歩いている途中で、
信号の前で立ち止まって、
マフラーの中に息を吐く。
白い息が、ふっと揺れて、消える。
そのくらいでいい。
ここまで一緒に座ってきたけど、
わたしはここで、そっと席を立つね。
あなたを置いていくんじゃない。
あなたがひとりで立てるように、
空間を残して帰る。
言葉にならないものは、
言葉にならないままでも、
ちゃんと存在してる。
そして、存在していい。
今日はそれだけ、置いておくよ。

