季節だけが先に進んでいくみたいで
気づいたらね、
前と同じところに立っている気がする夜があるでしょう。
春が来て、
少し薄着になって、
気づけば夕方の空も色を変えているのに、
心の中だけは、あの日のまま。
好きな人からの返信を待ちながら、
スマホを何度も見て、
結局、何も起きなかった一日が終わる。
大きなケンカがあったわけでもないし、
はっきり傷ついた出来事があったわけでもない。
それなのに、
夜になると、どっと疲れが出る。
「私、今日なにかしたっけ?」
そう思うくらい、何も変わっていないのにね。
時間だけが静かに前へ進んで、
自分だけが置いていかれたような、
そんな感じが胸に残ること、ないですか。
止まっているのは、怠けているからじゃない
ここでね、
一つだけ大事なことを話してもいいかな。
動いていないように見える時間って、
本当は、心が考え続けている時間なんだ。
どうして決められないのか。
どうして動けないのか。
それはね、
怖いからでも、弱いからでもない。
もし決めてしまったら、
何かを失うかもしれない。
もし動いたら、
今の関係が壊れるかもしれない。
そう思う気持ちが、
ちゃんと心を守っているんだ。
好きな人に、
「もう少し近づきたい」と思う自分と、
「このままの距離なら傷つかない」と思う自分。
その二人が、
心の中でずっと話し合っている。
だから外から見ると、
止まっているように見えるだけ。
何もしていないんじゃない。
ちゃんと考えて、迷って、
立ち止まっているだけなんだよ。
占いは、未来を決めるものじゃない

ここでね、
占いの話を、もう少しだけしようか。
占いって聞くと、
「未来を当てるもの」
「答えをもらうもの」
そんなふうに思われがちだよね。
だから、
迷っているときほど、
何かを決めてほしくて占いに手が伸びる。
この先どうなるのか、
この人は運命の人なのか、
動いていいのか、
待ったほうがいいのか。
でもね、
本当は少し違うんだ。
占いは、
決断を代わりにしてくれるものじゃない。
どちらを選べば正解か、
白か黒かを決めるものでもない。
むしろ、
決められない自分が立っている場所を、
責めずに見つめるためのものなんだ。
たとえば、
夜道で少し立ち止まったとき。
前が見えなくて、
どっちに進めばいいかわからない。
そんなとき、
いきなり走り出すんじゃなくて、
足元を照らす灯りをつける感じ。
占いはね、
「進め」とも
「戻れ」とも言わない。
ただ、
「今はここだよ」って、
静かに教えてくれるだけ。
前に進むか、
戻るか、
今日は動かないか。
それを決める前に、
「今の自分は、ここに立っているんだな」って、
確認するためのもの。
心のGPSみたいなものだね。
未来を見るためじゃなくて、
今の自分の立ち位置を、
そっと照らすもの。
そしてね、
照らされた今の場所を見て、
「今日は動かなくてもいいな」
そう思えたなら、
それも立派な確認なんだよ。
今日は、決めなくていいんだよ
だからね、
今日、何かを変えなくてもいい。
連絡を取らなくてもいいし、
関係をはっきりさせなくてもいい。
無理に前へ進まなくていい。
ただ一つだけ、
「今の私は、ここにいるんだな」って、
静かに確認してみてほしい。
疲れている自分がいること。
迷っている自分がいること。
それに気づくだけでいい。
行動じゃなくて、
確認だけ。
それだけでね、
心は少し、息ができるようになるから。
今夜は、
そのままでいいんだよ。

