時間だけが先に進んでいく夜
気づけばね、
同じ場所に立ったまま、また夜を迎えている気がするんだよ。
特別につらい出来事があったわけじゃない。
大きく泣いた日があったわけでもない。
ただ、考えごとをしながら、
何度も同じ夜をくぐってきただけ。
春が来て、
薄着になって、
気づいたら空気が少し重たくなっている。
それでも、
心の中の状況は、
あの日とあまり変わっていない。
昨日も、
その前の日も、
たぶん一週間前も、
同じことを考えていた。
「どうしたらいいんだろう」
「決めたほうがいいのかな」
「もう待つのは終わりにしたほうがいいのかな」
考えている時間は、ちゃんとある。
悩んでいないわけじゃない。
むしろ、考え続けている。
それなのに、
なぜか心だけが消耗していく。
たとえば、
彼からのLINEが三日返ってこない夜。
何度もスマホを見て、
通知がないことを確認して、
それでも画面を閉じられずにいる時間。
何かをしたわけじゃないのに、
時間だけが積み重なっていく。
「何も起きていないのに、疲れている」
そう感じる夜が、
少しずつ増えていく。
なぜ止まっているのかを、ちゃんと言葉にしてみる
ここでね、
ひとつだけ大事なことを言わせてほしい。
今、止まっている理由は、
怠けているからじゃない。
決められないのは、
意志が弱いからでもない。
多くの場合、
心が“混乱の途中”にいるだけなんだ。
頭の中では、
いくつもの考えが同時に動いている。
・彼を信じたい気持ち
・このまま待っていいのかという不安
・自分ばかり頑張っている気がする違和感
・関係を壊したくない怖さ
これらがね、
どれも同じ強さで存在している。
だから、
どれか一つを選ぼうとすると、
残り全部が引き止めてくる。
進めないのは、
止まっているからじゃない。
四方八方に引っ張られているから、
結果として動けなくなっているだけ。
それを、
「優柔不断」とか
「はっきりしない自分」と呼ばなくていい。
今のあなたは、
ちゃんと状況を理解しようとしている途中なんだ。
考え続けているということは、
もう十分、向き合っているということだからね。
占いは「決断の代行」じゃない

ここで、
占いの話を少しだけさせてね。
占いって聞くと、
未来を当てるもの、
答えをもらうもの、
そう思われがちだと思う。
でもね、
本当は少し違う。
占いは、
「決めてくれるもの」じゃない。
今の自分が、
どこに立っているのかを知るためのもの。
例えるなら、
人生のGPSみたいなものだね。
目的地を決める前に、
まず現在地を確認する。
私は今、
「迷っているのか」
「疲れているのか」
「不安が強い場所にいるのか」
それを静かに確かめるだけ。
決断を急がせるものじゃない。
背中を押すものでもない。
ただ、
霧の中で立ち止まっている自分に、
「ここにいるよ」と教えてくれるだけ。
それだけでもね、
人は少し楽になることがある。
今日は何もしなくていい。ただ確認するだけ
だから今日はね、
何かを変えなくていい。
決めなくていい。
動かなくていい。
「私は今、混乱している」
「まだ整理が終わっていない」
それを、
否定せずに確認するだけでいい。
混乱している状態は、
壊れている証拠じゃない。
考え続けているということは、
心がまだちゃんと生きているということ。
今夜は、
答えを出さなくていい。
ただ、
ここまでよく考えてきた自分を、
そのまま置いてあげよう。
夜は、
何かを決めるためにあるんじゃなくて、
立ち止まっていい時間だからね。
そしてもし、
「今の立ち位置」を
少しだけ知りたくなったら――
それは、
前に進む準備ができた、
という意味じゃなくてもいい。
ただの、
確認。
それだけでいい夜も、
あるんだよ。
……

